蓄電池の見積もりはココをチェック!業者選びのポイントも解説

蓄電池の見積もりはココをチェック!業者選びのポイントも解説 蓄電池

電気代の値上がりを受け、蓄電池の注目度が上がっています。電気代が安い時間帯に電力を貯めて、割高な時間帯に使ったり、日中に太陽光発電で作った電力を貯めて夜使ったりすることで、電気代の削減につながるからです。また災害時にも蓄電池があれば電気を使えます。

しかし、いざ購入しようと見積もりをもらっても、「その金額が妥当なのか」「そもそも見積書のどこを確認すべきか分からない」という方は少なくないでしょう。

そこで本記事では、蓄電池の見積書で確認すべきポイントや業者選びのコツまで、押さえておきたい基礎知識を紹介します。

蓄電池の見積書で確認すべきポイント

蓄電池の見積書で確認すべきポイント

蓄電池の見積書で確認すべきポイントは大きく分けて以下の4つとなります。

  • 蓄電池の本体価格と工事費用を合わせたkWh単価
  • 補助金・助成金の提案があるのか、また申請を代行してくれるのか
  • 蓄電池をはじめとする機器や工事に対する保証内容および期間について
  • アフターサービスがあるのか

ポイントごとに詳しく解説していきます。

kWh単価

経済産業省の調査によると(出典:経済産業省資源エネルギー庁)、蓄電池本体とその他設備、工事費用を合わせた総額は1kWhあたり13.9万円(2022年度)だと推計しています。ただし、この金額は10〜20kWhのような産業用で使われる大容量蓄電池も含めた平均値です。

家庭用蓄電池の実際の金額は、メーカーや性能、さらに流通コストや人件費など販売店や施工店によって異なります。家庭用蓄電池の場合は、1kWhあたり15〜20万円を目安にすると良いでしょう。

一方、1kWhあたり20万円を超えると相場より高いため、購入に際しては注意が必要です。
特に訪問販売の相場は、1kWhあたり25万円程度とされており、一般的な相場よりも高額になる傾向があります。希望する蓄電性能や業者などを考えた上で、見積価格を確認することが大切です。

補助金・助成金の提案

家庭用蓄電池には、国や自治体から交付される補助金・助成金があります。例えば、東京都では最大120万円の補助金を受け取ることができました。(出典:東京都)。

また都道府県と市区町村それぞれで補助金・助成金を提供している場合もあり、国と都道府県、市区町村の補助金併用、いわゆるトリプル補助を受けられるケースもあります。手厚い補助制度を設けている自治体も多く、補助金を活用できれば、蓄電池の購入費用を安く抑えられるでしょう。

ただし、補助金や助成金は自治体によって金額や条件が異なる上、申請手続きが複雑で難しく、交付までに時間もかかります。また国の補助金の中には個人では申請手続きができないものもあります。

蓄電池を購入する際は、きちんと補助金や助成金について説明してくれるのか、さらに代行申請してもらえるのか、確認することが重要です。

保証内容

蓄電池は本体の購入費用だけでなく、設置費用や工事費用が必要なため初期費用は100〜200万円と高額になります。

頻繁に買い替えるような製品ではなく、また生活に直結するライフラインであることから、長期間の利用が前提になります。そのため、メーカーや販売店などは購入者が安心して購入できるよう本体保証や工事保証などを提供しています。

本体の保証

蓄電池メーカーは長期間安心して利用できるよう、蓄電池などの機器に対し10〜15年の長期保証をつけています。

万が一故障した場合でも、保証期間内であれば無償での修理や交換が可能です。また、蓄電できる容量が規定値よりも下回った場合、無償交換してくれる「容量保証」もあります。

ただし、保証内容はメーカーごとに異なる上、購入後の年数によって無償なのか、有償なのか変わってきます。どのような保証内容が提供されるのか、購入前に確認することが大切です。

自然災害補償

火災や水災などの自然災害によって故障した場合、無償で修理・交換してくれる自然災害補償もあります。適用される自然災害は火災、落雷、雪災、風災、落下や飛来、衝突、洪水、雹災、盗難などです。

一方で、地震や地震による津波や噴火は対象外となるケースが多くなっています。補償期間は10年間が一般的です。

ただし、蓄電池メーカーによっては自然災害補償がついていない場合もあるため、その場合は、販売店や施工店が自然災害補償を提供してくれるのか確認する必要があります。

自然災害補償もメーカーや販売店ごとに補償内容などが異なるため、事前に確認することをおすすめします。

工事瑕疵保証

蓄電池は一般的な家電製品とは異なり、お店で購入して持ち帰ったらすぐに使える製品ではありません。

資格を持った電気工事士による工事が必須ですが、設置工事における施工不良や部材不良などが原因で蓄電池が故障する恐れもあります。

そこで販売店や施工店では、施工不良などが原因で故障した場合に、無償で修理や交換対応する工事瑕疵保証を提供しています。保証期間は一般的に10年ですが、保証内容は販売店や施工店によって異なります。工事瑕疵保証がついているのか、どのような保証内容か、事前に確認することが重要です。

アフターサービス

メーカーや販売店では24時間365日、正常に稼働しているか監視する遠隔監視や、過充電など重大な異常が発生した場合に販売店スタッフが駆けつけ、修理・交換してくれる緊急駆けつけサービスなどを提供しています。

また、販売店・施工店によっては、年1回の無償点検・メンテナンスサービスを提供しているところもあります。

蓄電池は長期間使用すると充放電機能などが劣化したり、環境や使用条件の変化で思わぬ突発事故が起きたりする恐れもあります。安心して使用するためにも定期的な点検は欠かせません。

ただし、アフターサービスの内容や費用の有無などの要件はメーカーや販売店ごとに異なります。アフターサービスについても事前に確認することが大切です。

蓄電池の見積書を依頼するときのポイント

蓄電池の見積書を依頼するときのポイント

蓄電池の見積書を依頼するとき、どんなポイントを意識するべきでしょうか。

見積書を依頼するときのポイントは次の2つです。

  • 相見積もりを取る
  • 太陽光発電と一緒に見積もりしてもらう

2つのポイントについて解説します。

相見積もりを取る

蓄電池を購入する際、必ず複数の販売店から見積もりを取って、金額や経済的メリットなどを比較検討した上で、購入先を決めることが重要です。

蓄電池は同じメーカーの同じ製品であっても、扱う販売店によって価格やサービス内容が異なることがあります。1社だけに見積もりを依頼すると、その見積もり金額が適正なのか判断することが難しくなります。

また、他社よりも極端に安い見積もりには、保証やアフターサービスなどがないという、思わぬ落とし穴があるかもしれません。

蓄電池の購入にあたっては、必ず複数社から見積もりを取って比較することが大切です。

複数社に見積もりを取ることは時間と労力がかかるため、複数の事業者に一括で見積もりを依頼できるソーラーパートナーズグリエネなどの一括見積もりサイトの利用がおすすめです。

太陽光発電と一緒に見積もりしてもらう

蓄電池は太陽光発電と組み合わせることで、電気代の削減など多くのメリットが期待できます。
蓄電池と太陽光発電、どちらの導入も検討している方は、太陽光発電と一緒に見積もりを依頼しましょう。

日中、太陽光発電で発電した電力を蓄電池に貯めて、電気代の高い時間帯にその電力を消費すれば、電力会社から購入する電気を減らすことができます。その経済メリットは、蓄電池単体で使用するよりも高くなります。

また停電時でも、太陽光発電で発電した電力を蓄電池に貯めておけば、夜でも電気を使えるため、非常時でも安心感を得られるでしょう。

さらに同時導入だと、付帯設備の選定や設置工事をまとめて行えることで、トータル費用を抑えやすくなります。

太陽光発電と蓄電池を組み合わせると、「月々の電気代を節約したい」「災害時や停電時に備えたい」、いずれのニーズにも応えることができるため、一緒に見積もりしてもらいましょう。

蓄電池を購入するときの業者選びのポイント

蓄電池を購入するときの業者選びのポイント

高額かつ長期間利用する蓄電池の購入で失敗しないためにも、信頼できる業者選びが重要になります。

業者選びのポイントは下記の4つです。

  • 業績はどうか
  • 保証・アフターサービスはあるか
  • 施工実績は豊富か
  • 説明内容に矛盾や不足はないか

業者選びのポイントについて解説します。

業績はどうか

メーカーや販売店などが10〜15年にわたる長期間の保証を実現するためには、経営状態が非常に重要なポイントとなります。

倒産件数は2015年から増え始め、2017年以降は70~90件の倒産が続いています(出典:帝国データバンク)。

購入したメーカーや販売店が倒産してしまうと、それ以降の各種保証やアフターサービスなどが受けられません。他社に修理などを依頼すれば、有償対応となり余計な出費が増えます。

こうしたトラブルを回避するためにも、メーカーや販売店などの財務状況を確認することをおすすめします。

保証・アフターサービスはあるか

電気を貯めて使う蓄電池は、生活に直結したライフラインです。安心して長期間利用するためには、万が一故障しても修理・交換してくれる「機器保証」や自然災害への補償などが欠かせません。

また、長期間使うと充電効率が落ちたり、使用可能時間が低下したりしてしまいます。リチウムイオン畜電池などは、環境や使用条件によって発火事故を起こす恐れもあるでしょう。

そうした性能劣化や事故を未然に防ぐためにも、毎日の遠隔監視や定期点検などのアフターサービスが重要になってきます。
安心できるサポート体制が整っている業者に依頼することが大切です。

工事は自社施工か外注施工か

蓄電池を設置するには、設置工事と電気配線工事が必要です。屋外に設置する場合には、浸水などの被害を受けないよう充分な高さの基礎を作り、安定して設置できる場所を確保しなければなりません。

しかし、施工不良や材料不足を原因とした故障は起こり得ます。業者を選ぶ際は、以下の点を確認しましょう。

  • 施工実績が豊富か
  • 販売から施工まで自社で行っているのか、工事は別の会社に委託しているのか

自社施工外注施工かは、より良い業者選びのポイントとなります。

「自社施工」の業者は、品質の高さを維持する目的から、施工まで一貫して実施しており、一般的に施工品質が高いとされています。また外注費などの中間マージンがかからないため、施工費用が安くなるメリットもあります。

施工実績とともに、「自社施工」「外注施工」どちらなのかを確認した上で、選ぶことをおすすめします。

説明内容に矛盾や不足はないか

蓄電池は電気代削減など多様なメリットがある一方で、初期費用が高い、設置スペースが必要といったデメリットもあります。

業者の中には、デメリットを十分説明せず、「この値段は今日限り」などと購入を迫ったり、長時間勧誘したり、冷静に十分な検討をさせないまま契約を急かす業者の存在も認めざるを得ません。

また「補助金の申請は代行する」と説明されたにもかかわらず、実際は申請されていなかったトラブルも発生しています。

国民生活センターによると、家庭用蓄電池に関する相談件数は増加傾向にあり、2020年度は1314件にのぼっています(出典:国民生活センター)。

契約トラブルを回避するためにも、メリットだけではなく、デメリットも説明してくれているか、説明に矛盾や不足はないか、また蓄電池の導入目的や生活スタイルに合った蓄電池を提案してくれているのかなどさまざまな観点から、業者の信頼性を判断することが重要です。

蓄電池選びで押さえておきたい項目

蓄電池選びで押さえておきたい項目

日本ではさまざまな蓄電池が販売されており、どの製品を購入すべきか分からない人も少なくないでしょう。

蓄電池選びで失敗しないためにも、押さえておきたい5つの項目を紹介します。

蓄電容量

蓄電池を選ぶ基準の一つが、「蓄電容量」です。

蓄電容量とは、水の貯まったタンクにたとえると、タンクの容積にあたります。タンクの容積が大きいほど貯められる水の量が多くなるのと同様に、蓄電池も容量が大きいほど多くの電力を貯められます。

蓄電容量が大きくなるほど値段も高くなりますが、値段を抑えて少ない容量の蓄電池を導入しても、貯めた電気をすぐに使い切ってしまい導入目的を果たせなくなるかもしれません。

そのため、蓄電容量は自宅の電気使用量に合わせて選ぶことがポイントです

電気使用量は家族構成やライフスタイルに応じて変わってきます。また、優先して使用したい電化製品や太陽光発電の有無などに応じて、蓄電容量を検討することをおすすめします。

機能

蓄電池を選ぶ際の2つ目の基準が「機能」です。まず、パワーコンディショナのタイプを選びましょう。パワーコンディショナとは、蓄電池に貯めた電力や太陽光発電で作った電力を家庭内で使えるよう変換する装置です。

パワーコンディショナには2つの種類があります。

  • ハイブリッド型
  • 単機能型

ハイブリッド型とは、1台のパワーコンディショナで蓄電池と太陽光発電システムの制御が行えるタイプ、蓄電池のみを制御するのが単機能型です。
太陽光発電との同時導入を検討している場合は、ハイブリッド型がおすすめです。

蓄電池には、下記のような太陽光発電システムとの連携機能も搭載されています。

  • 太陽光発電で作った電力を有効に使い、自家消費量の増加を目指す「グリーンモード」
  • 太陽光発電の電気を優先的に売電する「経済モード」

蓄電池の機能や種類に対するリサーチ不足から、蓄電池選びに失敗する恐れもあります。
特に太陽光発電システムとの連携を検討されている方は、太陽光発電の電力を有効活用できるよう、希望する目的に合う機能について、事前に確認することが大切です。

定格出力

「定格出力」とは、蓄電池から瞬間的に取り出すことができるパワーのことです。

定格出力が大きいほど、一度にたくさんの電化製品を動かすことができます。逆に定格出力が小さいと限られた家電製品しか動かすことができません。

そのため、日常的にどの電化製品を使いたいのか、定格出力がどれくらいあれば稼働させることができるのか、確認した上で蓄電池を選ぶ必要があります。

寿命

蓄電池の寿命を図る一つの目安として「サイクル数」があります。

蓄電池では、残量が0%の状態から満タンまで充電して、全て使い終わるまでを1サイクルとカウントします。何回サイクルを繰り返すと蓄電池が劣化するのか、蓄電池の種類ごとにサイクル数が設定されています。

最も普及しているリチウムイオン電池の寿命目安は下記の通りです。

  • サイクル数(目安):6000〜12000回
  • 使用期間(目安):10〜15年

蓄電池の寿命は過充電や過放電など、使い方次第で長くも短くもなります。
過充電や過放電を避けるためにも、ライフスタイルに合った蓄電容量選びが重要となってきます。

停電時の使い方

蓄電池には、停電した際に家の電気全てをカバーする「全負荷型」と、決めておいた部屋や家電だけに電気を供給する「特定負荷型」の2種類があります。

全負荷型
  • 停電時に蓄電池から家全体に電気を供給する
  • 蓄電池の容量が大きめ
特定負荷型
  • 停電時に特定の部屋や家電にだけ蓄電池から電気を供給する
  • 蓄電池の容量が比較的小さくて済む

災害時や停電時にどの程度、電気を補うことができれば安心感が得られるのか、家族構成やライフスタイル、費用対効果などから、「全負荷型」「特定負荷型」いずれかを選んでください。

まとめ

まとめ

蓄電池は、電気代の削減や停電時でも電気を使えるといった多くのメリットがあります。また、太陽光発電システムを同時に導入すれば、経済メリットなどが格段に増加します。

その一方で、最適な製品や信頼できる業者を選ぶには、蓄電容量や定格出力、経済メリット、さらに保証内容や期間、メーカーや販売店の財務状態など、多くのポイントを確認しなければなりません。比較検討するために、複数社から見積もりを取ることも必要です。

時間的余裕がない場合は、信頼できる業者を探す手段として、ソーラーパートナーズグリエネなどの一括見積もりサイトの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

また万が一、トラブルに巻き込まれたら国民生活センターなどに相談してください。